エンドウ・アソシエイツのデザイン


私たちは良いストックづくりを目指します。

■ 私たちは良いストックづくりを目指します。
1. 首都圏第1位のヴィンテージ・マンション 広尾ガーデンヒルズ

それでは、圓堂正嘉を心底感動させたロンドンのタウンハウスの魅力とは何だったんでしょう。 これはあくまで私の想像ですが、圓堂政嘉は、何世代にも渡って住み続けられるロンドンのタウンハウスの重厚さ、落ち着き、温かみ、そして何にも増してその美しさに感動したのだと思います。その旅行で感動した中味を広尾ガーデンヒルズに注ぎ込むことによって、30年経った今でも新築時と変わらない美しさと、新築時の販売単価より高値で取引される首都圏第1位のヴィンテージ・マンションの位置を不動のものにしたのだと思います。ロンドンのタウンハウスを雛形とした広尾ガーデンヒルズが首都圏第1位のヴィンテージ・マンションであることは、ハウジングとして最優良のストックであることを示します。ロンドンのタウンハウスの街づくり手法の中にそれをつくる秘訣が隠されているのだと思います。

2. ロンドンのタウンハウスの魅力

私が推すロンドンの住宅街の魅力は、なんといっても、100年以上前に建てられたジョージ王朝時代の建物やヴィクトリア王朝時代の建物が、今なお現役の住宅として使い続けられ、美しい街並み景観を形づくっていることです。 ロンドン市民にとって、ジョージアン・スタイルやヴィクトリアン・スタイルの住宅に、外装をそのまま維持するよう修繕し、内装だけその時代にあった形にリフォームして住み続けることが、あこがれの的になっています。100年以上前に建てられたクラシックなデザインの住宅に住むことは、自分自身のステイタスを誇示できることもあって、クラシック・スタイルの中古住宅は、いまなお住宅市場で高い人気を占め、老朽化した物件でも、モダン・スタイルの新築住宅よりはるかに高値で取引きされています。 こうしたクラシックな中古住宅の住宅市場における人気の高さを見ても、ロンドン市民にとって、住宅が、一軒一軒優れたデザインで良質のものに仕立てるものであること。できるだけ頑丈につくり、長く、何世紀、何世代にも渡って使い続けるものであること。この2つが、住宅づくりの基本的な考え方になっていると思います。 また、街の景観は、その街に住む人たちの共有の財産であり、景観そのものがそこに住む人々の愛着の対象になっています。自分たちが住む街の景観は、住民の間でお互い共通した価値観と美意識をもって、つくり、育て、守っていかなければ、維持されないという共通した認識がロンドン市民の間にあるようで、各地域、各街に街づくりを監視する協会があり、その協会が街の景観を維持し守るルールを定めています。

3. イギリスの住宅の平均耐用年数

日本の住宅の平均耐用年数は26年、イギリスのそれは75年だそうです。イギリスの住宅の耐用年数は、日本のそれの約3倍です。ここに日本とイギリスの住宅に対する考え方の違いが顕著に出ています。 日本は、住宅はせいぜい1世代住めればいいという考え方であるのに対して、イギリスは、3世代、それもできるだけ長く何世代も住み続けようとする考え方をしています。つまり、日本の街づくりは、時代の変化で不必要になったものは直ぐ取り壊し、時代の要求に合ったものにつくりなおすという、「スクラップ・アンド・ビルド」方式です。あまり建物に恒久性を求めない街づくりです。それに対して、イギリスは、できる限り長く使い続けること前提とした建物に恒久性を求める街づくりをしています。また、躯体、外装等の建物のスケルトンは、時代を超えて使われ続けてきた不変の建築材料を使って新築し、時代が変化し時代の要求に合わなくなったときは、できる限り新築時のスケルトンをそのまま維持し、内部の内装や設備等のインフィルについて、時代の要求に合わせて改変や更新をするスタイルのまちづくりです。

4. ロンドンの街づくり手法

広尾ガーデンヒルズの雛形になったロンドンのタウンハウスの特徴は、次の通りです。

(1)ロンドンのタウンハウスは、ロンドンの市内又は近郊で産出する材料でつくられています。 いわゆる、「地産地消」建物です。鉄道等の交通機関が現在ほど発達しない時代は、ロンドンに限らずヨーロッパや、明治期以前の日本、そして、世界中の各都市が、地元もしくは近くで産出する材料を使って建てられ、街並みができていました。地域地域で地元の材料を使う工法や技術が開発され、その土地独特の建築様式が生まれました。地域全体が、同じ材料を使い、同じ建築様式で建てることから、建物の用途が異なったり、建て主の意向でプランやファサードが異なっていても、決して相互に違和感を生ずることなく、街全体に落ち着きと統一感が形成されました。

(2)ロンドンのタウンハウスは、古代から人々に親しまれてきた伝統的建築材料でできています。それらは、主に石、煉瓦、スタッコ、瓦、鉄、木、ガラスの7種類の建築材料です。その中で主役を張るのは煉瓦です。現在建設されるモダン・スタイルの住宅でも今なお煉瓦が主体です。相変わらず7つの建築材料で外装がつくられています。十数世紀にわたる世代間の嗜好の違いを乗り越えて生き残ったこれらの建築材料を使い続けることによって、ロンドンの街並み全体に統一感を付与しています。 ところが、現代の日本の住宅街は、かつて主役であった木、土、瓦、紙等の伝統的材料が使われることがほとんどなく、多くの住宅が、新建材や伝統的材料を表面だけ似せた贋物材料で張り回されています。ロンドンのタウンハウスが、伝統的材料を今なお使い続けることによって、年月を経るごとに美しさと風格を増すのに比して、日本の住宅がその逆に年を経るごとに醜くなっていくのを比べると、恐ろしいほどの対照を見せています。

(3)ロンドンの住宅街は、多くが街区ごとに開発されるため、街区ごとにハウジング形式、壁面線、建物高さ、建築様式、外観デザイン、外装の材料と色が統一されています。

ハイストリート・ケンジントンのタウンハウス ハイストリート・ケンジントンのタウンハウス