コラム


これからのマンションづくり

(5)バブル崩壊後の東京都のマンション価格の推移

東京都内の新築マンションの平均価格及び平均面積は、「共同住宅の廊下・階段に係る容積率不算入制度」が導入された1997年以降、景気の底入れ宣言のあった2002年にかけて、共同住宅に対する容積率緩和措置の効果が実を結び始めたのと土地価格の下落により、平均住戸面積が東京23区で66㎡(19.9坪)から73㎡(22.1坪)に、23区以外で70㎡(21.2坪)から81㎡(24.5坪)に徐々に増加したにもかかわらず、平均価格が東京23区で5,150万円(257万円/坪)から4,650万円(210万円/坪)に、23区以外で4,000万円(189万円/坪)から3,600万円(147万円/坪)に徐々に下がった。(【図表-13】及び【図表-14】を参照)

これに伴い、都心部でも、サラリーマンの平均的な年収の人でも購入できる水準までマンション価格も下がり、実際、都心部に居住者が戻ってきた。(【図表-6】及び【図表-9】を参照)これは、様々な共同住宅に対する容積率制限の緩和制度の導入がマンション1住戸当りの平均価格の降下と平均面積の増加に効果があったことを示していると思われる。

  東京23区 東京23区以外
  平均価格 平均面積 坪単価 平均価格 平均面積 坪単価
  万円 万円/坪 万円 万円/坪
94年 5,200 60.5 284 4,200 66.0 210
95年 4,650 62.5 246 3,950 68.0 192
96年 4,900 65.5 247 3,900 71.5 180
97年 5,100 66.0 255 4,000 70.5 188
98年 4,800 66.5 239 3,850 73.0 174
99年 4,700 67.5 230 3,800 74.0 170
00年 4,600 70.0 217 3,700 77.5 158
01年 4,700 72.5 214 3,600 79.5 150
02年 4,650 73.0 211 3,600 81.0 147
03年 4,600 68.0 224 3,650 79.5 152
04年 4,550 69.5 216 3,600 79.0 151
05年 4,950 71.5 229 3,600 77.5 154
06年 5,100 72.0 234 3,750 77.5 160
07年 6,100 71.5 282 4,150 77.0 178
08年 6,200 70.5 291 4,200 76.0 183

しかし、バブル崩壊後いわゆる「失われた10年」を経過した2002年(政府の月例経済報告で景気の底入れ宣言あり)を境に、不動産投資が激化し始めたのか、東京都内の土地価格も建設コストも上昇に転じ、それに連動してマンション1住戸当りの平均価格と平均面積もそれまでと逆の動きを見せ始めた。2002年以降平均面積が徐々に減少したのにもかかわらず、平均価格が上昇し始め、2005年以降はうなぎ昇りに急騰した。マンション価格の底入れ価格となった2002年の平均坪単価が東京23区で211万円/坪、23区以外で147万円/坪であったものが、2008年前半には、東京23区で138%の291万円/坪、23区以外で124%の183万円/坪にも上昇した。(【図表-15】&【図表-16】参照)

一方、「マンションの平均価格と平均年収倍率の推移」【図表-18】を見ると、マンション平均価格は、「共同住宅の廊下・階段に係る容積率不算入制度」が導入された1997年の5,150万円(東京23区)をバブル崩壊後のピークとして、底を打った2004年の4,650万円(東京23区)まで徐々に降下している。その間、平均年収も徐々に減少したため、マンション平均価格の平均年収に対する倍率は、約6倍(サラリーマンの平均年収に対する倍率は約11倍)と横ばい状態で推移した。

しかし、マンション平均価格は2004年から上昇に転じ、2007年は6,150万円(東京23区)と1997年のバブル崩壊後のピーク時価格を約1,000万円も突破し、2004年のバブル崩壊後の底入れ価格4,650万円の1.32倍にまで上昇している。 また、平均年収に対する倍率は、東京区部物件では、約9倍(サラリーマンの平均年収に対する倍率は約14倍)にまで上昇している。 2004年の東京区部住宅地の基準値の平均土地価格が、バブルが始まる前の土地価格の120%であったものが、1.32倍の2007年には158%に上昇しているので、土地価格の上昇分をそのままマンション価格に転嫁した形になっている。